教授挨拶

教授挨拶Message

宮﨑 英士

総合診療・総合内科学講座 特別教授

宮﨑 英士Eiji Miyazaki

地域医療に根ざして

私は町医者であった父の影響で、病を持った人に寄り添い、健康を支える医師を志していましたが、卒業時(1984年)は総合診療医という選択肢がなかったため、一旦は呼吸器内科に籍を置きました。

2010年に地域医療学センター、2013年に総合診療・総合内科学講座を担当することを契機に総合診療医として従事するようになり、回り道をしましたが、やっと原点に立ち返れました。

臓器専門医を経験したことで、より総合診療医の重要性とやりがい(楽しさ)を実感できているのだと思います。

今のような専門医制度があれば、間違いなく最初から総合診療医の道を選んでいたと思います。

イメージ写真

新たな専門医「総合診療専門医」

「総合診療医」は超高齢社会を背景としてそのニーズが急速に高まっています。

2018年、新専門医制度がスタートし、第19番目の専門医として総合診療専門医が誕生しました。総合診療専門医は特定の領域に特化した専門医とは異なり、領域横断性に高頻度疾患を中心に全ての健康問題に対応できる医師です。赤ちゃんからお年寄りまで、また心理・精神的な問題から小外科まで対応能力の広さを特徴とし、家族、地域全体の健康にまで視野を広げることができる医師です。

医療の専門性、高度化が進み、病気にフォーカスするあまり置き去りにされてしまった、医療の神髄である「人を診る」ということ、多職種と連携して「家族を診る」こと、さらに行政や住民と協働して「地域」を診ることが総合診療医の専門性です。

「何でも相談してください」と言えて、それに対応できるのが総合診療専門医です。

総合診療医が
これからの日本を支える

総合診療・総合内科学講座には、面倒なことを厭わず、人の立場を考慮して医療・ケアが提供できる、人間力の高い人が集まっています。

当然のことながら診断や治療において高いスキルをもち、加えて、患者中心の医療の方法などノンテクニカルスキルを持ち合わせた総合診療専門医が地域に出て活躍することで、住民の皆さんの安全・安心と健康は保たれ、地域医療は確実に向上します。

当講座は総合診療専門医を育成し、地域に送り出すプラットホームでいたいと思っています。

イメージ写真 イメージ写真