第30回日本病院総合診療医学会学術総会に参加しました。
2025年2月22-24日に広島県で開催された、第30回日本病院総合診療医学会学術総会に参加してまいりました。今回も日本全国から総合診療に従事する先生方が集まり、日々の診療における知識のアップデートができました。内容を挙げればキリがありませんが、私の所属する大分大学医学部附属病院総合診療科が今まさに取り組もうとしている「整形外科とのコマネジメント」については、特に診療科として得るものの多い題材でした。超高齢化社会に突入するにあたり、大腿骨頸部骨折の患者数及び手術件数は年々増加の一途を辿っています。さらに、それらの患者はマルチモビディティ、すなわち複数の慢性疾患に罹患していることが多く、骨折に対する手術入院といえど、不安定な内科的問題を抱えているケースが増えています。それらの問題を速やかに解決するために、整形外科での手術入院時に総合内科・総合診療科が同時に介入するコマネジメントが、全国の市中病院で導入されつつあります。当院でも導入を試みておりますが、大学病院と市中病院での違いからただただ先人の後を追うわけにもいかず、今後の課題を知覚し、取り組む重要な機会になりました。
今回当講座からは、吉村亮彦医師(大分大学医学部総合診療・総合内科学講座)から「CA125、CA19-9の偽陽性により10年以上腫瘍マーカーの異常高値を示していた一例」、後藤亮医師(大分市医師会立アルメイダ病院総合診療科)から「食餌アレルゲン除去が寛解維持に寄与した好酸球性胃腸炎の一例」、私から「腹痛で発症し、早期には診断困難であったTAFRO症候群の一例」の3演題を発表させていただきました。私個人としては初めてのポスター形式での発表でしたが、指導医の皆様の温かいご指導のおかげでつつがなく終えることができ、この場でお礼申し上げます。これからも、日常診療のみならず、学会への参加・発表を通じて大分・日本の総合診療の発展に少しでも寄与できるよう邁進してまいります。
文責 筒井 勇貴